アブナイ王子様たち
それでも、叔母さんは私の背中をさすり続けた。


私の背中をさする叔母さんの手から、ぬくもりを感じる。


やばい、さらに涙が出てきちゃいそう。


そうは思っても涙を止めることはできなくて、私はしばらく泣き続けた。


お父さんからの手紙を叔母さんに手渡された10分後、ようやく涙が止まった。


涙によって崩れた顔を隠し、涙がつたった頬を手の甲で軽くぬぐい取る。


私の体が叔母さんから離れたところで、叔母さんがスッと立ちあがった。


「さて、そろそろお風呂の準備をしなきゃね!


愛海ちゃん、先に入る?」


「はい……」
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