アブナイ王子様たち
「はい、わかりました」


叔母さんの言葉に笑顔を向けてそう答える。


お風呂場のほうからお湯が出てくる音に耳をすませ、私はリビングで寝転がっていた。


リビングにはテレビがあるけど、テレビをつければ、私のお父さんとお母さんの事故死についてのニュースが流れるだろう。


お父さんとお母さんが死んだというニュースを見るのは嫌なんだ。


他のチャンネルでは、お父さんとお母さんの死に関係ない番組が放送されているかもしれないが、今はテレビでなにかを観る気分ではなかった。


お風呂場のバスタブにお湯がたまるまで、私は黙って待っていた。
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