アブナイ王子様たち
いやいや、気を遣いますよ。


私、年上の人には気を遣わないと気が済まない性分だからね。


「……ごめんなさい」


「なんで謝るんだよ。


あんた、なにもしてないだろ」


「そうですけど……」


「とりあえず今日は、この別荘でゆっくり休んどけよ。


お手伝いさんの仕事は俺がやっとくから」


翔さん……。


私に気を遣って、優しい言葉をかけてくれるなんて……。


翔さんの優しい言葉に甘えたくなる。


そう思ったとき。


ポンポン。


翔さんがやわらかな笑みを浮かべながら、私の頭を優しく撫でてきた。


「安心しろよ。


なにかあったら、絶対に駆けつけるから」


ドキッ。


ほら、もう。


翔さんがそんな優しさを見せるから、勘違いしちゃうんだよ。
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