👑Emperor bride

第2婦人は妾と違うんだ。


「え‥っとてか、驚くしか無いんで
すケド..
 もう関わらない約そ・・・く
   《皆に問うぞ
    その約束を聞いた者は
    此処におるか?》

大臣、役職の男達は皆顔を見合わせ
「ん?コホン、ゲホンゲホン」と

何かの暗号のように、その後全員で

「ハハーツ聞いておりませぬ。」
と頭を垂れた。




琴乃は、笑うしかなく引き攣り
ながら、ONEチームかよ。


「へ、ヘヘヘ。」
と引き攣りながら笑った。
ヒクヒク
逃げようとも思ったが疲れるし、
暫くお世話になる事にした。

次の日からメイドも付く様になった。

GパンとTシャツは捨てられそう
になったがゴミ箱より拾い出し、
ベッドの下に隠した。


毎日パーティードレスの
チャラチャラした服を着せられ
髪を結わえられ
お人形さんみたいになった琴乃を
チャンクは目がたれる程見つめて
満足したら仕事に出て行った。



そんな噂も城を飛び出し一人歩き
を始めた。
直ぐ王や王妃の耳にも入る事となる。



静かなティタイム。

王妃ユアンは王に‥

「あなた今、王太子殿下の噂を
ご存知かしらぁ?」


黒い瞳を瞬かせキッイ表情で夫で
あるモーリン・レオナルドを見る。

「どうしたのだ!王妃のそのよう
な目は似合わぬぞ。」

王は飲んでいたハーブテイから口を
外しナイスガイな彼は青い瞳を
綻ばせ既に60歳を超えた、グレーの
髪はきちんとカットされ清潔感を
漂わせている。

「だってあなた、4月には婚礼を
控えておりますのに、もしお相手
の感に触れでも
したら、どうなさるのかしら。」

フフフ
「心配せずとも、こちらは五人
は娶ると話してある。
それを承知して婚姻を決めたのだ、
王妃の心配する所では無い。」


「だけど、あなた琴乃とか、言う
女子はチャンクに嫁は一人じゃな
きゃ駄目だとチャンクを説得して
いるって言うじゃありませんか?
 もし破談になれば戦になります
わ よ・・・。」


「フウム!では王太子はなんと?」

  「ご自身で、確かめられては?
プイッ」

頭にきたらしい王妃様は
     《バッターン》
とケタタマシイドア音を響かせ
出て行かれました。


終始ご機嫌なチャンクは、すこぶる
順調に仕事をこなしていた。
執務室にスーツ姿の王が訪ねてきた。
突然の訪問に皆驚き腕を胸まで
上げて礼をとった。

「よいよい、スーツで来た意味が
無い。」

柔らかい笑顔を見せる。

「父上どうされたのです?」
  
「ウ~ム!噂を聞いてな!
 お前はあの娘を娶るのか?」

「はい!! 父上、琴乃は絶対に
娶るつもりです。」

「ではグランバーリン国の
ミリアン皇女も
第1婦人つまり王妃として、
娶るのだな!!」
 

「えっ‥それは?」
目を泳がせるチャンクに釘を
指すように王トーマスは言った。

 「娘は何処の姫だ?」

「それはちょっと言えませぬ。
 事情があるのです。」

少し縁目がしになったチャンクを
見逃さなかった。


「断るのは良いが、それなりに
 説得せねばならずまい。
 しかし
 国との諍いの火種になることを
 頭の隅に置いておくようにな。」

「御意。」
 チャンクは深く礼をした。

王はそれだけ忠告するとダンディ
な姿で静かに出て行った。

ドアの外でエドワードも話を聞い
ていた。

「どうするのだ?道は二つだ。
 琴乃様を説得するか?
 婚姻をやめるか?」
 
一国の王となるつもりなら
言わずと分かっておられますな‼
な‼







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