👑Emperor bride
「失敗?」

「はっ!! 向こうは腕利きを揃えて
 此方の動きを読んでた用です。」

「ふむ、殿下は、
大層な切れ者と聞く。
 どうしたものよ…。」

ミリアン皇女の、父王サムソンは
思案していた。

殿下が側室をもっのは当たり前だ!
儂にも6人はおる。
然もミリアンは側室ではなく妃として迎えるられのだ!

此方としては依存はない!
ミリアンはまだまだ若い、
理解出来ぬのも仕方あるまい。

「して、どうされますか?」

髪をひとくくりにした目の鋭い男は
皇帝を見上げて指示をあおった。

「フウム!そうよのぉ!! 
 どうしたものか?」

皇帝は御年68歳、ミリアンは遅く
生まれただけあり、とても大事に
可愛がって育てた愛娘だ。
みすみす不幸になるようなそんなのは見過ごせない!。


「明日、マノリラ国へ行こう。
彼と話を付けたい。
側室は五年は作らぬよう私が、
申し伝える。
即、準備してくれ、よいな。」

「御意!」






「殿下!! 殿下おられますか?」

「どうした、来客中だぞ!」

晩餐会から4日、そろそろ滞在
していた客も帰国を始めていた。

見送りもチャンクの仕事に
なっていた。

「あ!! 申し訳ございません。
 しかしミリアン様のお父上様
サムソン王が、
本日見えになるそうです。」


「なに?まことか? 」

側近のエドワードも驚いた
声を上る。

最後の客を送り出した時に
ミリアン皇女が駆けてきた。

「殿下、父上が来ると連絡が
  御座いました。」

  「何か不都合でも?
急な来国ですね。」

チャンクは首を傾げながら
ミリアン皇女を見てたずねる。

「ん?何か殿下にお話が
あるようですわ。
 私達の事かも知れません。」

「分かりました。
 ご心配なきよう、私がお父上を
お迎え致し ます。」

チャンクはミリアン皇女とお茶
を飲み別れた。

夕方グランバーリン国から
政府専用機が、着いたと連絡が
はいり、王室はバタバタ
と忙しくなった。

チャンクの父王モーリンも
難しい顔をした。

そしてチャンクも、モーリン王も
サムソンの出迎えに


ミリアン皇女も、一緒に食卓を囲む、楽しい表向きの宴は進み、
ついにサムソンが、口を開いた。

勿論壁際にエドワードが控えている。

「うちのミリアンは、私の年とった
頃の娘でしてな、とても可愛
がって育てまして…。


  娘の泣く姿は見たくありません
のです。
  私にも側室はおります。
  無理を招致で、五年は側室を
  作るのを止めて頂きたい。」


チャンクは直ぐ返事をした。

「申し訳ありませんが、それは
 出来ません。」

隣にミリアンが、座っているのを
知りながらチャンクは即答した。

「では、琴乃と申す娘、
めったに居ない美形だそうな。
 私が、貰い受けたい。
 このどちらかを、受け入れては
くれまいか?」

「は?」

バタンと椅子が倒れてチャンクは
立ち上がった。
目は怒りで震えていた。

「まあ、ホホホご冗談を!! 」

王妃ハユンは冷や汗を垂らしながら
サムソンに向かい微笑んだ。

「この間、族が入ったと聞き及んだ。
 彼女の為にも私の国の方が
安心では?
 深手を負ったと聞きましたぞ!!」

チャンクは目を剥いてエドワードを
睨んだ。

「説明せよ‥。」

心底氷付く声を出しチャンクは
目を見開いてエドワードを見た。




「 エドワード
 琴乃になにが、あったのだ!
 何故知らせぬ!
 初めて聞いたぞ!! 」

「はっ!! 申し訳御座いません。
 軽傷ゆえ、殿下がお気使いなきよう
 配慮致しました。


晩餐会の日、族が数名忍び込み
琴乃様は、腕に傷を負われて
今、ある場所で静養させて
おります。」













「車を、今すぐ見舞いに参る!」

「では私も、一度お会いした
かったのです。  
どのような方か気になりますもの!」

ミリアンが、すかさず付いて行く
と言い出した。

すかさずエドワードが、

「いえ、深手を負われていてまだ
 人に会える状態ではありません。
 申し沢ありませんが面会は
出来る状態では
 無いんです。」


「なに! 軽傷と申したではないか?」
チャンクが、驚き、
慌てた様子で、声を荒げた。


「殿下がご心配ないなさらないように
 そのように申し上ましたが
傷が深く、まだ目が覚めて
はおられません。」

椅子にバタンと座ったチャンクは
酷く落ち込んでいた。

「何故知らせぬのだ!! 」

握り拳をブルブルふるわせながら
エドワードを睨んだ!

「やめなさい!皇女の前で!
申し訳ないと、思わぬか!!」

チャンクの父王はチャンクを
怒鳴りつけた。


ガタンと椅子をたちサムソン王も

「その女を私に下げ渡して頂きたい。
 怪我が直り次第使いをだして
欲しい。
 自ら迎えにまいる。
 私が、目をつけ大事にすると
 約束しょう。」

そう言うと嫌がるミリアン皇女を
連れて出て行った。

ブルブルと震えるチャンクの身体を
側近やエドワードが、押さえつけた。

「何を言っている。

 琴乃を渡せ!?
 それは無理だ!
渡すわけには行かぬ!
 琴乃はあの女は俺の生涯の
妻なのだ!!」

「で、殿下なりませぬ。
 聞こえまするぞ!!」

側近達はチャンクの口に蓋を
するように手でおおい別室に
連れ込んだ。

側近やエドワードに蹴りを入れ
振り払った。
そしてまた声を荒げ怒鳴り
散らした。


「エドワード琴乃はどこにおる。
 何故族に狙われるのだ!!

 答えぬか!! 」
     ハアハア

「落ち着け、落ち着かぬと何も
言えぬ。」
                ハァハァ
「あの狸!、俺の琴乃への寵愛
を知らぬのか !?
ぶっ殺しても足りんぞ!!
 琴乃を差し出せとは、
片腹痛いわ!」


「で、殿下!落ち着かれて下さい。」


「とうに落ち着いておる!!
 お前たちこそ、落ち着け(怒) 」

「国医を呼べ殿下の興奮が
おさまらぬぞ!!」

 エドワードが叫ぶと

「直ぐに…。」

側近の1人が呼びに走った。

また屋敷はバタバタと忙しくなり
医者が呼ばれチャンクの脈をとり 
鎮静剤が打たれた。


暫くすると血圧も正常に戻り 

チャンクの頭も整理がついていた。

「返事は先延ばしにしておけ!。
 相手の出方を見るぞ、悟られぬよ
う気をつけよ。三人衆を呼べ。」




「ふむ、なくなミリアン、
私が、お前の涙に弱いのは
分かっておるだろう。」

 ウッウッ
 「だって、だって、お父様」





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