👑Emperor bride
🐝⋆︎*🐝⋆︎*夫婦は琴乃と別れた場所に着くが
琴乃の姿はもう、無かった。

夫婦は何となく居心地悪さを感じたがしばらく辺りを探す事にした。

その頃琴乃は、反対側の村を抜けようしていた。
スニーカーを履いていたのが良かったのか 
もう、山は赤く染まり田園風景も
遠くになっていた。

町が見えて来てお腹も空いてきた。
町中には美味しそうなスープの匂いが腹を鳴かせる、しかも
肉を焼く屋台がでて、
まるで台湾のような市場を思わせる
活気溢れる町が広がっていた。

フルーツ盛りもあれば、唐揚げの
ように盛り上がった皿もあった。

肉饅頭もホカホカしてるし
美味しそうでヨダレが止まら
なかった。
そんな琴乃を積み上げたレンガの横から値踏みする姿があった

「おい、あの娘高く売れそうだな。」
 ヒゲをはやし浅黒い顔した男が
琴乃に目をつけた。

         「やる?」

背の小さい男がニヤニヤして琴乃を品定めしている。

石畳の上を歩いて疲れ果てた琴乃は、川越の石の上に、つい這うように座った。


「オイオイお嬢ちゃん、腹へってるならこれを食え‥」

知らない男が声をかけてきた。
少し怪しんだか、彼はニコニコしながら肉まんに似たホコホコと
湯気の上がる饅頭を手渡した。

琴乃は、不思議そうな顔をしたが、親切なのかもしれないと
手を出して受け取ってしまった。

「ありがとう御座います。」
 そうお礼を言うが、余りの空腹と、 疲れにガツガツ、と食べて
しまった。



「おい、おい、」
 ボカツ
「こんな所で寝るなよ。」
背の小さい麦わら帽子を被った男が琴乃の背中を蹴った

「眠ったか?」

「イチコロ、(▼∀▼)!!」
みろよ。いいネックレスしてるぜ!
高く売れそうだ。」

 人売の男たちはニヤニヤしながら
「上玉だ。」
 琴乃の身体を上から眺めながら、いやらしい事を考えていた。

「かわい顔してるぜ」

その時、城の兵隊たちが現れて検問
をひいていた。

「アニキ、ヤバイ!!、早くこの、 地は出よう。」
人買いの2人は琴乃を引っかかえ
車の荷台に投げ入れた、ドスンと鈍い音がして琴乃は車の荷台に転がった。


ガタン、ガタン、ガタン、
ゴトン、ゴトン、ゴトン。

軽トラに揺られ坂道でガンガン
何かに当たり目が覚めた。

猿ぐつわをされ手首を縛られ
足もしっかりと縛られていた。

頭をガッンガッン打った痛さで
目が覚めた。

「あ、しまった。人買いに捕まった。」
 ギュッと縛られた身体を見て、
 臓器売買か、風俗に売られるか
 はたまた奴隷

琴乃は、この3っのどれかだと思った。

食い意地のはった自分を後悔したが

「自分を助けるのは自分。」

もう、勇気を出すしかない。
コッソリ運転席を除くと大男の方はウイスキー片手に眠っている。

背の小さい男が運転していた。
背が小さいのが幸いしたか前しか
見ていない。
琴乃はチャンスを狙った。

車は山へ抜けると芝生が生えて
いる草原に出た。
ゴロゴロと回転しながらなんとか
後ろ手で車の端を握り足を
クノクノしながら

「エーイツ」と飛び降りた。
身体はゴロゴロと回転しながら
山肌をヤギが
放牧してある草原へと転がり下り
ていった。

あばら骨が折れたのか息が苦しい。
頭からねっとりした赤い血が流れ琴乃の服に生暖かい感触が落ちていた。
「死んでしまうのかな?」

白み始めた世界を見ながら、気が遠くなり静かに目を閉じた。


それから随分たった頃
鼻を美味しそうな匂いがかすっていた。

体は強張り動けそうにも無かった。
虚ろな目を開けようとしたが瞼が重い
またしばらく眠りに襲われまた眠りを繰り返していた。


太陽の光とヤギの鳴き声と鶏の喧嘩する声で目が覚めた。


「ン~まだ起きませんな。」

「そうですね。大丈夫でしょうか?」

「骨折と打ち身で済んだのは、
奇跡としか思えませんぞ。
良く生きていましたなぁ、また夜、 点滴をしにきますよ。お大事に。」


「え!助かったの?」

目を開けるとあの時の夫婦の
カワンさんが心配そうに見つめて
いた。


「カワンさん?」
心細い声で琴乃が叫ぶと

「あれ~、目が覚めたかい?
アンター、アンターヨンスン、ヨンスン。」

カワンさんの声に慌ててヨンスン
さんが走り込んできた。

「あ、良かった!心配したよ」

ヨンスンさんは安心したのかホッ
とした顔をしていた。
カワンさんの話だと一週間眠って
いたそうだ。

あの日、カワンさんがヤギの乳搾りに行くとヤギに赤い血がねっとりと付いていた。

野犬にでも噛まれたかと思ったがヤギに怪我はなく、
ヨンスンさんと山の上まで見に行ったら琴乃が血だらけで
縛られたまま倒れていた。


直ぐ警備隊に、連絡を取り兵を
出して、犯人捜索したがもう見つからなかったようだ。

動けるようになったら事情聴衆に
呼ばれるよと、教えてくれた。


事情聴衆は、(>。<)困る。
何処からきたか、何をしていたか
聞かれる。
しかも異次元から来た なんて
誰も信用してくれない。






< 5 / 74 >

この作品をシェア

pagetop