👑Emperor bride

カワン、ヨンスンとの出逢い

お腹空いてたからって、訳じゃ
ないけど本当に美味しかった。


焼き菓子には沢山の春の野菜が
入っていた
ブロッコリー、菜の花、ヨモギ
昔食べた焼き菓子の味。
  
「懐かしい。優しい味。」

""""> ポリポリ、""""> ポリポリ

そうそうチャンクは、ピーチティより
アップルティーを良く飲んでたっけ?
冷たく冷やしたアップルティーも
美味しかったなぁ。



ふと、チコはちゃんと食べれて
るだろうか?チコはアッチと
コッチどちらの世界にいるの
だろう。


どうぞチコ、が食べれて、
お腹がすいていませんように、
と祈らずにはいられない。

「ご馳走様でした。とても
美味しかった です。」

「腕の傷は大丈夫かい?。痛そう
だけど・・・。」

「ふふ、私、丈夫に出来てます
安心して下さい。」

ちょっと心配そうな夫婦は馬車に
乗り送って行くから乗りなさい、
そう言ってくれたが
「いいです、いいです。」
と、断った。



納得いかない様子だったが

「じゃあ!! 帰るからね。」

 「はい。気をつけて。」

そういうと、一抹の蟠りが有る
ような顔をして、馬車を走らせた。

琴乃は、そんな二人を有り難く
見送り土手に座り今からどうする
か考えていた。


確かに此処はマノリラ国だった
言語、お茶の時間、間違いない!!。
その事に、安堵した。


お茶の風習は昔からある事で
他所ではやっていなくても
マノリラに来た人は確かに驚くと、
チャンクが言っていた。

あのご夫婦に聞きたかった。
10年前から今日までの事
チャンクは皇帝のままでいるのかと
言うこと。


しかし全部を話さなければ
スパイと思われかねない。

チャンクは命を狙われていた。
その事実が琴乃の聞きたい事を、
言い出せ無くしていた。

誰が信じるのだろう。
たった1人チャンクだけしか
理解しないと思う。

自分だって急にそんな事言われたら
病院に行くように進めると思う。

平行世界パラレルワールド。
そんな未知な世界に足を踏み入れ
てしまった。
チャンクと私は別の世界の住人、それが
事実なのだから・・・。




「ねえ、あんた?」

  「ん、どうした?カワン?」

ヨンスンは、カワンが何かずっと
考えてるのを、何となく感ずい
ていた。


「さっきの女の子の事何だけど?」

       「ん、ん…な。」
夫も不思議に思った様だ。

「あの子って、見たこと無いか?」

「あんたも思ってた?城勤めをし
てた時 あの毒菓子を見破った子供に
似てなかった?」

「ああ、な、あの日は俺が具合
悪くて、入りたてのパテシエが
作ったんだったな。」

「早々、あの頃は子供がまだ小
さくて病気ばかりして、看病に
疲れた私を気づかって、
あんたまで具合悪くなってさ。」


「そうだ、城から知らせがきて、
具合悪さもブツとんで殿下が
無事だったのを見た時
二人で腰抜かしたな。」

「女の子が ポリポリ食べてて
 食べるな!!と殿下が取り上げて
 大泣きしてて
 慌てて厨房で作ったよな、ハハハ」
「そうそう
しかもあのパテシエは誰が雇っ
た何処の誰かも分からずじまい
だったし・・・.。」

    

「女の子も殿下が連れてきて
 殿下がいつの間にか連れて帰る
みたいな不思議だったな。

来るところも帰る所も誰も 
見た事が無いと言う話だったし。
殿下が連れてきて、お忍びで
連れて帰る
と言うのは無理があるんだよな?」


「おうりゃ一つ~!!」
 ヨンスンは、思い切ったように、
手網をパシーンパシーンと
 打ち、Uターンした。

馬は高らかに泣き
足爪を高く上げ引き返えした。






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