星空の下、君に恋をして。
「だーめ!センパイはすぐ無理するタイプでしょ。」

軽く頬を膨らませて実里くんはそう言った。

「…そうだね。」

否定はできない。

1人で何とかしなきゃダメだって思うと、全部抱え込んで苦しんできたから。

実里くんは何気に私のことをよく見てるのかもしれない。

少し考えていると、由香ちゃんがぽんと手を叩いた。

「あ、そういえば!桜夜ちゃんはどっちに入るか決めた?」

「えっ、あ、そうだね…決めたよ。」

「えっ!どっちどっち??」

目をきらきらと輝かせる由香ちゃんに、なんと答えるべきか迷う。

「えっと…」

すると。

「桜夜センパイは、軽音部に戻ってくるって言ってましたよね??」

柔らかい髪の毛が私の顔に触れた。

「!?」

近い。

「僕が、戻ってきてって言ったんです。ですよね?」

「う、うん。そうだよ。軽音部にしようと思って。」

目の前に現れた実里くんから少し距離を取ってから私は頷いた。

「やったー!!!」

「え~、残念…」

寧々ちゃんと由香ちゃんの声が重なった。

実里くんは変わらずにこにこしている。

「じゃあこれからもよろしくね、桜夜ちゃん!」

「うん!」
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