星空の下、君に恋をして。
「…嫌だった?」

「え?」

「僕に可愛いって言われるの、嫌?」

今にも泣き出しそうな様子に見えて、私は焦る。

「え、別に、そういう訳じゃなくて。ただ単純に、私なんかより可愛い子はいっぱいいるだろうって思って…」

必死に弁解すると、実里くんは少し表情を緩めた。

「それなら、別にいいよね?誰を可愛いって思うかなんて、人それぞれでしょ?」

そう言った後、実里くんは少し小悪魔のような笑顔で微笑んだ。

「ね、センパイこっち向いて?」

「…え?」

ゆっくりと実里くんと目を合わせると、実里くんはにこりと笑った。

「ね、先輩。先輩は凄く可愛い。認めたくなくても、僕からしたら最高に可愛い。」

ほわんとした空気を纏った実里くんは、とても綺麗な笑顔だった。

この世の穢れを知らないかのような美しさ。

私は思わずため息をついた。

「…そっか。ありがとう。」

実里くんが満足そうな表情で私から離れる。

私の目の裏には、先程の実里くんの綺麗な笑顔が強く焼き付いていた。

透明。

そう、まさに透明。

実里くんの笑顔は透明だった。

何故そう思ったのかは分からない。

でも確かにそう感じた。
< 40 / 41 >

この作品をシェア

pagetop