三月の向日葵



「なら、あんたをモデルにしてもいい?」


「俺を?」


「そう。それならやったげる」


葵を指さして、私は葵がしたように笑ってみせた。
葵は一瞬戸惑った表情を見せたけれど、
同じように笑むとこくりと頷いた。


「よし。交渉成立だ。やるからには格好良く描けよ?」


「私を誰だと思ってんの?それくらい朝飯前だよ」


見つめ合って、お互いの意見が合致したことに
どちらともなく拳を合わせた。


面白くなってきた。やってやろうじゃん。
どうせならこいつを利用してやろう。


それがどう転ぶのかは全く分からないけれど、
このつまらない毎日に花を咲かせるには
十分な起爆剤になることだけはこの瞬間分かった。


















*別に死ぬことは怖くなかった。
 









 ただ、早く死んで楽になりたかった。
 












 死へと向かうこの平凡な毎日だけは嫌で
 












 早く誰か殺してくれと願った。
 














 誰も私を救えない中で
 












 あいつだけは私に手を差し伸べた。
 














 その手は異様に冷たかったんだ。















< 33 / 33 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

読めないあなたに小説を。

総文字数/59,779

恋愛(その他)94ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
あなたを救いたい そんなの必要ないってこと、知っているけれど それでも私は、その手を引いた あなたはあなたのままだから 「読めないあなたに小説を。」 言葉を紡ごう たとえあなたが、目にすることはなくても この胸に溢れたたくさんの愛を 私は一冊の本にする 2020.02.20.Thu 蒼空
ストロベリーキャンドル

総文字数/63,282

恋愛(その他)95ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
全てを失った私のもとに たった一人、残っていた あの大きな手に、もう一度、触れたくて 私はいつまでもあなたを探し続ける 願わくば、また会える日を夢見て 「ストロベリーキャンドル」 あなたが救い上げてくれたから 今度は私が、あなたを救うから どうかお願い ほんの少し、待っていて 2020.01.24.Fri. 蒼空
表紙を見る 表紙を閉じる
生きたい そう思わせてくれたのは、紛れもなく、キミだった こんなにも笑えて こんなにも泣けて 生涯幸せだったと言えるなんて *生まれ変わってもまた、 何度でも恋をはじめよう。* たった一度の、恋なのに たった一人の、キミなのに たくさんのごめんねと、 たくさんのありがとうをキミに キミに出会えて、良かった 2020.10.27.Tue.蒼空

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop