普通な狂人

仕上げ






「あっ、」


女は艶かしい声を上げる。


俺は手を休めることなく弄り続ける。



「み、美姫?!

どうした!なんでそんなに…、」




「こんな声を上げるのは、一つしかないだろう?」



俺は、挑発的に話す。



「あっ、んっ、あっあ、」



女は尚も喘ぎ続ける。


そりゃそうだ、

こうなる前に媚薬を仕込んでおいた。


こうした方が、両方ともいい顔をするだろ?



俺は両方の絶望した顔を見ながら、

暫くいじることを続けた。




「美姫!なんで!

俺の時は、そんなになって、美姫…!」


彼氏の方が我慢できなくなり泣き出した。




チッ


俺は怖がる顔が好きなんだ、

泣き顔なんて要らない。





俺は手を止める。



「はぁ、お前の彼氏は童貞だったのか…


最初っからこんなに感じる女なんていねーよ。」



そういうと彼氏は、

ほんとか?

と、女に聞き出した。



こいつ頭おかしい。


それどころじゃないだろ。


状況分かってもっと怖がれよ…。




俺さえも呆れていると、


女も呆れているようで、



俺に顔を向けてこう言った。



「…もうあの人の事はいいので、


私としてください。


もう、我慢出来ません♡」





俺はそれだと困る。

性欲処理したくてやっているんじゃない。


くそっこうなったら、


少し早いが、




やるか。





「もうめんどくさい。



死ね。」



俺は短刀で女の肩に傷をつけた。

血が出てきて汗と混ざる。



「きゃっ、いやぁ!」


女の顔はすぐに恐怖に染まる。



「ははははは!

そうだ!これだ!

もっとだ!もっと!その顔を俺に見せろ!」



俺は一心に女の顔を見る。



そしてまた傷つけ、

じわじわと痛みを覚えさせる。



「いやぁぁぁぁぁぁあ!」











___________





俺は狂ってる。



自分でも分かる。



でも、


この衝動は止められない。


殺し屋は、

俺の天職だ。





辞める気はない。







俺が後にした部屋には二人分の死体が転がっていた。



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