輪舞曲-黒と白のcaprice-
「…結構やるね。けど、そんな簡単にはやられてあげられないよ」
にやりと笑ってみせ、少女の手元を狙って2、3発銃を発射する。
2連弾の音が鳴り響き、同時にからん からん と個体が転がっていく音を確認してから距離間を取るべく、跳躍して少女から離れる。
「…っ!」
そんな少女の声が聞こえてきた。続けざまに負傷したであろう、右手を弾くようにもう一発撃ち込む。
ぱあああんー…
2発も弾丸を食らったのだから、暫くは使い物にはならないだろう。
止まらない血と痺れが、今に少女を支配する事だろう。そこからどう動くか。
表情をば、と託つけて少女の顔前に視線を送るも、何一つ変わらない云うならば“冷”のまま。
怪我を負っても凍てついた表情のまま、少女は距離を埋めるべく駆け出す。
まさに無傷であるかのように振る舞いながら。
「…痛みを感じないのか……?」
それさえも耳に入っていないのか否か、少女は走り込みながら狙いを定めて銃を構える。
ぱぁん!ぱぁん!俺に向けて威嚇目的で、発砲しているのだろう。直接当たらぬように態と外して撃ってきているようだ。