俺はまだ君の名前を知らない

第3話ー不明な連絡先交換の理由ー

『はぁ…』
俺はため息をついた。
何故かうさ子と紅夜と連絡先を交換し、敬語を使わない事を約束した。
だか、そーなると、一つだけ、気になる事が有る。
約束したり、連絡先を交換したと言う事は、もう一度会うのか?
敬語を使わないのは単純にその1日を楽に過ごす為、とか、同い年だから、とか、理由は様々だが、連絡先はそうは行かない。
うさ子はお礼の為と言えるが、紅夜はその1日だけの筈だ。
連絡先を交換する意味がない。
だが、俺がお願いしたわけでもなく、一方的に
『連絡先、交換するわよ』
と、スマホをつき出されたのだった…
何か意味が有るのだろうか…?
まぁ、俺だって男だし、下心が無いと言えば嘘に成るが、言うほど無いと言えば本当だと思う。
一番気になる理由は、あの、紅夜の性格だ。
あんなにも用心深そうな紅夜が簡単に連絡先を交換するとは、何か意味が有る筈だと俺は考えた。
でも、聞くのはちょっと気が引ける。
『はぁ…』
俺は又、ため息をついて、家に持ち帰っていた仕事をコーヒーの入ったカップを片手に、パソコンで進めるのだった…
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