桜の木の下で
「はははっ」
「……?」
「間抜けな顔しやがって……」

さっきまで笑ってたかと思えば、
今度は優しい顔をして、
私の頭を撫でてる。

何ですか?
この展開は……。

「かっ、菅田さん」
「な〜に?」
「ど、どうしたんですか?」
「何が?」
「私の頭撫でたりして……」
私は、急に恥ずかしくなり下を向いた。

「撫でたくなったから」

まだ撫でることをやめてくれない。

なっ、何?
この急展開は?

「もういいですか?」
「何が?」
「頭撫でるのやめてください」
「えっ?嫌なの?」

驚いた顔で私を見る。

「嫌とかそういうのじゃなくて
私達は、そういう関係じゃないですよね?」
「そういう関係って、どういう関係?」
「だから、付き合ってるわけじゃないのに
こういうことするのやめてください」
「じゃぁ、付き合ってたら
こういうことしてもいいの?」

イタズラっ子みたいな顔をして、
私をからかう。

「もう、からかわないでください」
「あ〜、悪い。楽しかったから」

優しく笑うから、ドキッとしてしまう。

この時間がずっと続けばいいのに。

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