桜の木の下で
「菅田さん、ずっと好きでした。
でも菅田さんは、佐藤先輩のことが
好きだから、ずっと気持ちを隠していました。でも、もう限界です。
菅田さんは、私のこと
どう思っていますか?」

私の気持ちを伝えた。
もし、ここで振られても後悔しない。

「陽夏、好きだよ」
「わっ、私の名前、
覚えてくれてたんですか?」
「覚えてるに決まってるだろっ」
「みんな葉月ちゃんって呼ぶのに」

名前を言われただけで嬉しかった。
なのに、好きだなんて。
奇跡だ。

嬉しすぎて、涙がどんどん溢れてくる。

「なっ、なんで泣くんだよ?
嬉しくないのか?」
「……嬉しすぎて泣いてるんです」
「……バカ」

菅田さんが頭を撫でて抱きしめてくれた。

< 130 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop