桜の木の下で
「陽夏と出会ってからも、
さくらのことは好きだった」
「……」
「でも気がついたら陽夏のことを見てた。
俺の周りに寄ってくる女は、
自分を良く見せようと必死になっている
人ばかりだった」

菅田さんの手が私の髪を撫でる。
それが気持ちよくて……

私の目を見つめながら…

「ずっと嫌われてると思ってた」

苦笑いする。

「私はずっと好きだった。
初めて菅田さんを見た時から…」
「…陽夏」

いつの間にか流れていた涙を
菅田さんの指で拭いてくれた。

急に恥ずかしくなって……
私…今顔が真っ赤だ。

「陽夏、好きだ。
俺と付き合ってくれるか?」
「……は…い」

嬉しすぎて涙が止まらなかった。

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