桜の木の下で
「そうですか」
「お前なんで怒ってんの?」
「怒ってないです」
「ほら、怒ってんじゃん」

そう言って笑う菅田さん。

なんで今日はいつもの冷たい菅田さんじゃないの?

もう諦めたいのに、
そんな優しく笑っている菅田さん見たら
諦められないじゃん。

私だけに笑ってほしい。
私だけを見てほしい。
私だけを好きになってほしい。

欲がどんどん溢れ出してしまう。

私……こんなに独占欲強かったっけ?
菅田さんだからだ。
菅田さんだからこんなに好きになってしまったのだ。
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