前世は俺と愛し合ってました



〜 千鶴 視点 〜





あの後、早織さんは晴美様の手のことにはふれず
私が作ったシフォンケーキを美味しそうに食べられ
一緒に帰ろうと誘っていただいたので、晴美様と早織さん、私で下校した


帰り道、早織さんたちと何気ない会話をしていると……




「サオ…!!」

「「「……っ!?」」」





男の声がし、振り向くとそこには
芸能人だといえるほどの美男子がいた





「……リオ…」

「えっ!?」





晴美様が男を見て小さくそう言った






あれが、リオ……!?

晴美様の言うとおり……
前よりカッコ良くなっている!






「……き、昨日の変人!!」



「サオ!お前なぁ!
昨日、勢いよく蹴りやがって!
すげぇ痛かったんだぞ!
使えなくなったらどうすんだ!?
お前との子ども出来なくなるんだぞ!」



「……なっ////!!
何言ってんのよ!変態!!セクハラ!!
訴えるわよ!!」






早織さんは、男の言葉に顔を赤くし
怒鳴るようにそう言った






「晴美様…あの男…
前と全く変わっていませんね……」





デリカシーってものがなさすぎです





「千鶴。分かってると思うけど
俺は、彼に近づけない
後は任せるよ」


「………はい。」





晴美様は、そう私に言うと
早織さんの手を握るとニコリと微笑んで
男から離れようとした





「あ、ちょっと待て!!」

「行かせませんよ。」





リオは、晴美様たちを追いかけようとしていたので
私はリオの前に立ち、リオを睨んだ






「…………退け。」


「行かせません。お二人の邪魔はさせません」


「………サオは、やっぱりあの男と愛しあっているのか…?」


「はい。貴方が入るような隙はありません」





私がそう言うと、男は悲しそうな顔をしクスリと笑った





「……ははっ。やっぱりそうか…」


「諦めてください。あのお二人方が愛し合うことは【運命】なのです」



「………運命?あの二人が?
違うな。俺とサオが愛し合うのが運命だ
アイツは、前から俺の女なんだよ!

退け!」



「……ッ!!待ちなさい!リオ!」



「……っ!?……は?なんでお前…俺の名前……」





リオは、私の肩を押し晴美様たちを追いかけようとしたので
私はリオの腕を両手で掴み足を止めた






「………お前、まさか……!


…っ!?まさか、あの男も……!

チッ!」



「……ッ!?……リオ!!」





リオは、何かに気づいたみたいで私の手を強く掴むと痛みで一瞬手を離した私の肩を押し
晴美様たちの方に走っていった





「……リオーー!!!」






行ってしまった…っ!!
晴美様たちの方へ……っ!

あの男に早織さんを近づけてはいけない!
……それに、今、晴美様にも近づけてはいけない…!


急がなくては…っ!!
間に合わなくなる!!


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