双星の煌めきは月夜に魅せられて






「……あのさ、気のせいだったらいいけど」


「ん?何?」



時間いっぱい抱きしめあった後、優生は神妙な顔をして月那に尋ねた。



「さっき、朔夜と胡桃がいなかった?」


「え!?いつ!?」


「俺が付き合ってくださいって言う少し前くらい」



優生の言っていたことは正解で、朔夜と胡桃は駅の近くのレストランで夕食を取ろうとしたのだ。



『どうする?見たい気持ちもあるけど、行く?』


『……行こっか』



月那と優生が聞こえないように小声で会話して、2人は再び歩き出した。



「……気のせいじゃない?流石にこんなタイミングで朔夜と会うわけないでしょ」


「そうだな……じゃ、行くか」



しかし、そんなことを知る由もない。


優生が手を差し出して、月那はその手をとって歩き出す。


それは、もう友達ではない証。
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