双星の煌めきは月夜に魅せられて
男達に鼻をつままれ、口に錠剤を入れようとする。
状況からして、危険な薬ではないと思うけど……おそらく睡眠薬といったところか。
私は頑なに口を開けようとはせず、鼻を摘んだ手を振り払おうとしたが、息の限界がやってきて、飲み込んでしまった。
『大丈夫か!?』
「へ、いき……」
それよりもなずなだ。
なずなに視線を向ければ、薬を飲まされたのか、もう既に眠っていた。
桜蘭の情報は謎めいている。
一体どこからなずなの情報が漏洩されたのか。
私は朦朧としている意識を全力で振り絞って、男達の特徴を探す。
「……鬼清だ」
確か谷口組の傘下の1つだ。
とはいっても、組長についての情報を持ってないただの下っ端ということだから、捜査対象には入ってなかった気がする。
『月那!?』
結果、私は耐えきることができずに目を閉じた。