双星の煌めきは月夜に魅せられて
⁑
☆
視界が明るくなる。
特に夢を見なかった私は静かに目を開けた。
「目が覚めたか」
「ここはどこ?」
「俺らの倉庫だ」
私は周りを見渡して、近くにいた男に尋ねた。
こいつはさっきいなかったな。
寝起きながらの頭の回転の悪さで、冷静に状況を整理する。
窓がなくて、コンクリート式の冷たい床。
特に何も置物等はなく、独房室みたいなものだろう。
隣には静かに眠るなずなの姿があった。
よかった……なずなも無事だ。
そして鞄は見張りの男の足元に置かれていた。
通信機は……なんであるの?
無いと思っていた通信機をとりあえず確かめようと、探ってみたら予想外なことにあった。