双星の煌めきは月夜に魅せられて
谷口組の傘下ということであれば、おそらく私が持っている情報は流石に把握済みだろう。
となると、桜蘭のスパイが組長に密告したという考えが自然だ。
それが誰か考えなくても分かる。
「月那、ちゃん……?」
「なずな!」
自分の中で結論をつけたところで、なずなが目を覚ました。
なずなはまだはっきりしてないのか、目が虚ろになっている。
「月那ちゃん、この人は?」
なずなは男を指差して私に問いかける。
正体は知っているけど、一応確認してみるか。
「確認だけど、その情報源は三村胡桃だったりする?」
「……!何故そのことを!」
「単純ね」
揺さぶりをかけただけでこの様か、やっぱりこれだったら朔夜1人でも壊滅はできそうだ。
しかし、外にいる人数が分からないわね。