秘密の抱き枕
第4章「輝来の仕事」
「ごちそうさまでした。あ~美味しかった!」

「お粗末様でした。きーくんこれからお仕事だよね?」

鳴にそう言われてはっとした。そうじゃん。俺これから仕事じゃん。

「忘れてた!ごめんもう行くよ!!お昼ありがと!行ってきます!!」

「いってらっしゃ~い。気をつけてね~」


はぁ、はぁと息を切らしながら仕事場に向かう。やはり自転車を購入するべきかと思ったこともあるが、歩いて(今日は走って)行けない距離ではないからまだ購入はしていない。


「すみません、遅れました!!!」

そう言いながらド思いっきりアを開ける。

「あらきらくん。待ってたわよ。遅れるなんてめずらしいわね。イケメンでも拾ったのかしら?」

「い、いえ、そんなわけないじゃないっすか!とおくのスーパー行ったんでおそくなっただけっすよ!」

どんだけ勘がいいんだこの人は。

ほんとは言ってもよかったのかもしれないが、鳴の存在と共に俺の秘密までバレてしまいそうな気がしたから黙っておくことにした。

「あらそう?少し怪しいけどまあいいわ。さぁ、ちゃっちゃとメイクしましょ。今日もとびきりのイケメンにしてあげるわよ。」

「あはは、ありがとうございます。」
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