秘密の抱き枕
「いや~危なかったなぁ!卵が残り2パック残っててよかったよ。」

「そうだね…」

「どうした?お腹でも痛いのか?」

さっきからしたばっかり向いている鳴に向かってじょうだんまじりにいってみる。

「いや、そうじゃないんだけど…。ねぇきーくん、ちょっとこっち向いてよ。」

「ん?なに?」

ちゅっ

鳴がいきなり唇にキスをしてくる。

「な、な、な、な、な、な、なにすんだよ!」

「あはは。きーくんびっくりしすぎたよ。かわいいなぁ。」

「もー!せっかく人が心配してやったのに!」

え、と鳴は一瞬びっくりした顔をするが、すぐに爽やかな笑みを浮かべ、

「心配してくれたんだね。ありがとう。でも大丈夫だよ、ちょっと昔を思い出してただけだから。」

そういうと子供のような笑顔を向けてくれる。その顔に俺も力が抜けてしまった。

「元気になったならいいよ。早く帰って飯にしようぜ。美味いの作ってくれるんだろ?」

「うん。まかせて。」

鳴が自信満々にそういった。
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