【短】私が「好き」だと言っても貴方はただ、曖昧に笑うだけなのでしょう?
最初から何もなかったことに。
私達は出逢わなかった。

全ては束の間の夢路に過ぎなかったと…。

そうすれば、お互い後腐れなくこの先を生きていける。


…少なくとも、私は傷付かずに、済む。

私は自分が可愛いが為に、彼へと別れを告げるんだ。
そう…"悪女"という仮面を付けて。


これ以上、何も見出だせない未来を見て失望する事も、虚しさに流され毎夜一人で泣く事もない…そんな現実を取り戻そう。

泣かなくたっていい。
彼は結局…私には似合わないヒトだった…。
それだけの、こと。


そうやって、何度も自分に言い聞かせ、精一杯自分の中で納得させてから、私は彼が待つホテルの部屋へと向かった。



< 13 / 17 >

この作品をシェア

pagetop