クールな御曹司と愛され新妻契約
でも、いつ退職するのか具体的に日程を聞かれたりしたら、その後がまた大変になるだけだし……。

幼馴染は、『私が退職していないことを両親にバラす』ということを切り札に連絡を入れてきているので、ギリギリまで本当に話すことはしないだろう。

それなら幼馴染とだけ決着をつけるのが、契約結婚をした一番の理由である仕事を続けていくにあたって、この先自分のためになるわけで……。

一日の疲れを癒すはずのバスタイムで、つらつらと考えながら、逆に疲れが溜まっていく。


お風呂から上がり、濡れた髪にドライヤーをかけ始めようとしたところ、コンコンと遠慮がちにサニタリールームのドアがノックされた。

下着もパジャマもきっちり身に付け終えていた私は、「今開けますね」と一声かけてからドアを開く。

廊下には、既にパジャマ姿の千景さんが眉を八の字に下げ、困惑した表情で立っていた。

「麗さん、先ほどから沢山連絡が来ているみたいです」

「そうなんですか? すみません、煩かったですよね」
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