ストーカー
「あの子たちってさ、璃桜のこと好きだよね」


ぼんやりと歩いていたので、考えていたことがそのまま口に出てしまった。


「え?」


璃桜が驚いた顔で立ちどまる。


あたしは慌てて「冗談だよ」と、笑って言った。


でも、実際はわからない。


あたしを目の敵にしているようだし、本当に璃桜のことが好きなのかも……。


「遙、大丈夫か? 急に険しい顔になったけど」


「ごめん。ちょっと疑心暗鬼になってるみたい」


あたしはそう言ってほほ笑んだ。


犯人は男だと思い込んでいたけれど、女の可能性だってあるんだ。


マネージャーたちのように、璃桜のファンが逆恨みしてとか……。


そこまで考えて、あたしは頭をふって考えをかき消した。
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