ストーカー
「ほんと、よかった」


あたしと璃桜のやりとりをみていた美咲がそう言った。


「美咲にも沢山心配かけて、ごめんね?」


「ううん。あたしが心配してたのは……」


そこで言葉を切り、友達と一緒に教室を出る璃桜の後ろ姿を見送る美咲。


「犯人が璃桜じゃなくて良かったって言ったの」


「え……?」


あたしは驚いて美咲を見た。


璃桜が犯人じゃなくてよかった?


その言葉を頭の中で繰り返す。


「前に言いかけたことがあるの、覚えてる?」


そう聞かれてあたしは頷いた。


「うん。郁が話かけてきたから聞けずじまいだったやつだよね?」
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