ストーカー
途端に呼吸が苦しくなり、あたしは大きく深呼吸を繰り返した。


早く電話に出なきゃどうなるかわからない。


殺されてしまうかもしれない。


そう思うのに、なかなか体は動かなかった。


メマイがして気持ちが悪い。


でも、取らなきゃ……。


あたしは勇気を振り絞り、電話に出た。


「もしもし……?」


『電話に出るの遅いぞ』


聞こえて来た西村君の声に、頭の中は真っ白になった。


わかっていたはずなのに、自分の世界が終ってしまった感覚に陥る。


「ごめんなさい……」


謝る声が震える。


どうか、殺さないで。
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