ストーカー
あたしは鞄から手鏡を取り出して自分の顔を確認した。


「そんなに沈んだ顔してるかなぁ?」


そう呟いて、ニッと口角をあげてみる。


ほぼ初対面の西村君相手に仏頂面をしてしまっていたのなら、申し訳ない。


《遙:めっちゃ笑った。もっとスタンプ頂戴》


次々に送られてくる面白スタンプに、あたしはいつしか声を出して笑っていたのだった。
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