晴れた雨

嫌だ嫌だと思いつつ、クラスマッチの当日を迎えた。

残念ながら雲一つない晴れ空で、雨なんて降る気配もない。

それにしても、暑いな…

「薫、私たちは最初4組とだって。」

「了解。」

私たちは2年2組なので、最初の試合まで少し時間がある。

結局私はサッカーを選び、優実も私と一緒にしてくれた。

「にしても暑いわ。」

「本当、干からびそう。」

この暑さで大丈夫だろうか。

動いてもいないのにもう汗が滲んできた。

二人で日陰に入ったが、正直あまり変わらない。

「4組ってさ、あの子いるよね。」

「あぁ、うん。」

優実の言うあの子が誰かすぐに分かって、私の気分は少し落ちる。

「ま、大丈夫だとは思うけどさ。」

優実はそう言うけど、私は内心不安だった。

あの子とは、真野くんの彼女である木村 千晶(キムラチアキ)ちゃんだ。

木村さんが真野くんと付き合う前にも、何回かすれ違ったことがあるけど、その度に敵意剥き出しの顔をされた。

だから、今日は対決することになるので、不安で仕方がないのだ。

「やっぱり休めば良かった…」

「だめだめ、ここで一発ギャフンと言わせな。」

「なんでそんな喧嘩腰?」

優実と話していると、少しだけ気分が落ち着いてきた。

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