新堂三兄弟のお姫様

仁野「早く乗れ、ヒノ。」

私は大きく首を横に振る。

ードアが閉まります。ご注意下さい。

発車ベルの音と共に
仁野が電車を飛び降りる。

大きな音を立て、電車が去って行くと
静かな空間が広がった。

仁野「ガキかよ、お前は。」

妃乃「何で降りたの?」

仁野「放っておけないだろ。」

妃乃「放っておいて欲しかった。」

仁野「つーか、お前、本質見失いすぎ。
お前はここでナノを待ってたんだろ?
キノの事を考えるために
ここにいた訳じゃないんだろ?」

仁野の言う通りだ。
私は那野に会いたくてここにいたんだ。
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