過去の精算

「いつも顰めっ面して、眉間にしわ寄せてたろ?」

「そ、そんな事…」

「俺の顔見ると、いつも迷惑そうな顔してた。
まぁ身に覚えがあるから、仕方ないけどな?」

「だったら、私に近寄らないで下さい!」

「その件は暫く保留にしてだな、食材が無くなるまで、暫くここに通わせて貰うから、そのつもりで!」

「拒否権は無さそうですね…」

「貸した金を一括返済出来るなら、考えるけど?」

貸した金って…
借りたくて借りた訳じゃないし!
欲しくて買った物でもない!

「分かりました。
その代わり院内では、私に話し掛けないで下さい。
余計な噂の種や、矢の的になりたくありませんから!」

「分かった」

「もう一つ、ここへ食事しに来るなら、あの高級車は目立ち過ぎるので、なんとかして下さい!
それから、」

「はぁ?
まだあるのかよ!」

「アパートの前に、何時迄も車止めて置くと迷惑になるので、食べたなら帰って下さい!」

「・・・分かった!
君の要望は全て聞き入れよう。
その代わり、今日買った服を明日から着て来るように!」

「えっ!」
あんな高級ブランドの服を着て、仕事に行くなんて・・・
いつも、ユニ◯◯の安い服しか着てない私が、高級ブランド服なんて着てたら、それこそ皆んなの注目を浴びる。
それに、洗濯機で洗えないモノは不経済すぎる!

「無理です!」

「じゃ、俺も無理だな!
あー腹も一杯になったし、眠くなったわ!
今日は、ここに泊めてもらって、明日一緒に出勤するか?」

嫌がらせをする様に、彼はまたもや大の字によこになった。

じょ、冗談じゃない!
「困ります! 帰って下さい!」

「嫌だね!
君が、俺の要望呑むと約束する迄帰らない!」

「なんで!!
食事を作る条件、呑んだじゃないですか!?」





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