グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

 写真を見て、少し動揺しているノエリの傍にジックニーは歩み寄った。

「ん? あ、これこの前待ち伏せされたときの写真だ」

 写真を見てゆくと、ジックニーとデルバがホテルへはいてゆく写真があった。

 だが・・・

「え? 」

 ノエリはきょんとなった。


 写真にはベッドにいるデルバの写真があった。

 しかしデルバの隣で寝ているのは、なぜか恐竜だった。

 しかも小さな大人しそうな恐竜。


「へぇー。ノエリのお姉さんって、恐竜が好きなんだね。もしかしてぬいぐるみかな? わざわざ裸になって、ぬいぐるみと一緒に写っている写真を送ってくるなんて。お姉さんって、意外におちゃめなところがあるんだね」

「はぁ・・・」

 ジックニーと一緒にいる写真があったことで、てっきり一緒にホテルに行った写真だと思ったノエリだが。

 恐竜と一緒の写真に拍子抜けした。

 

 その頃。

 マンションの外にはデルバがいた。

 雪の中、サングラスをかけて最上階を見ているデルバ。

「フフッ・・・。これでおしまいね。あんたみたいなブスが、幸せになんてなれるわけないじゃないバカね」


 怪しく笑っているデルバ。


 
 しかし・・・。

「面白いね、ノエリのお姉さんって」

「姉と会ったんですか? 」

「うん、少し前にね。待ち伏せされたんだ。2人で話したいって言われたけど、嫌な予感がしたから行くふりをして逃げて来たんだ」

 ちょっと悪戯っぽく笑うジックニー。

「逃げて来たって、もしかして、この恐竜を代わりに行かせたとかですか? 」

「まぁね。でも、お姉さんには俺としか見えていないから」

「え? 」

「一種の手品みたいなものだよ。気にすることないよ、これでお姉さんは満足しているんだからさっ」

 
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