グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

 国立病院に運ばれたノエリは、一命をとりとめたが、記憶を無くしてしまっていた。

 覚えているのは名前だけで、あとは何も覚えていなかった。


 そんなノエリをしばらく引き取ると言い出したのは、医師のサクス。

 当時30代後半で、外科医を担当している腕利きの医師だった。

 結婚して1人子供がいるサクスは、仲良くなれると信じて引き取る事にした。


 サクスの家は平民でもお金持ちで、代々医師の家系。

 わりと大きな屋敷に住んでいるサクスは、優しい妻ソルティアと、娘のデルバと暮らしていた。

 デルバは父と同じ医師になる為、医学部を目指している高校生だった。

 記憶を無くしたノエリを、ソルティアもデルバも優しく迎え入れてくれた。


 怪我が順調に回復しても、ノエリの記憶は戻らないまま半年・・・1年・・・ 気づけば3年経過していた。

 デルバは医学部へ進んで、勉学に励んでいて毎日が忙しい。

 ノエリは15歳になった。

 サクスはこのままではいけないと思い、ノエリを養女として家族にすることを決めた。

 色々と細かい手続きもあり、三か月後にノエリはサクスの養女となった。


 15歳になったノエリを高校に通わせる事にしたたサクス。


 優しいノエリは、すぐに周りとも仲良くなり、笑顔を取り戻していった。


 
 すっかりノエリも地上の人間と変わらなくなったある日。

 ノエリが急激に頭の痛みを訴えた。


 その痛みがきっかけで、ノエリの記憶は少しづつ戻ってきた。
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