グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

 しばらくして。

 ジックニーはいつものように仕事へ向かった。

 今日は早く帰ってくると言っていたジックニー。


 いつも1人で家に残される事が、ちょっとだけ寂しかったノエリ。

 だけと今日は、なんだか寂しくない。

 ジックニーがいなくても、なんだか一緒にいるようで・・・。

 1つになるっていうのはこうゆう事なのだろうか?


 暖かい気持ちを感じながら、ノエリは寝室へ向かい鞄の中を見た。


 鞄の中から取りだされた綺麗な水晶。

 手のひらサイズの水晶だが、ダイヤモンドより輝いている。


「もう20年以上も連絡していないから、死んじゃったって思っているだろうなぁ・・・」

 そっと、ノエリは水晶を抱きしめた。


 すると・・・

 キラキラと綺麗な光りが降りてきた。

「ノエリ・・・」

 優しい綺麗な声がして、ノエリはハッと顔を上げた。

 すると、そこにはノエリに似た顔立ちの透明感のある綺麗な女性がいた。

 清楚なエメラルドグリーンのロングドレスに、白いレースのショール。

 綺麗な金色の髪は腰まで長く、頭にはプラチナのティアラ。

「・・・お母様・・・」

 驚くノエリに、女性はそっと微笑んだ。


 そう。

 この女性は妖精界の女王であり、ノエリの母で名前をファリヤと言う。


「ノエリ・・・随分と心配していましたよ」

「ごめんなさい、連絡できなくて・・・」

「いいのですよ。ずっと、この水晶を通して見ていました。大変でしたね・・・」

 ファリヤはそっと、ノエリに歩み寄り、そっと抱きしめた。

「よかった、無事で。貴女が元気になって、この水晶を見てくれる事信じていたのよ」

「・・・私を助けてくれてた人がいて・・・」

「ええ、見ていましたよ。彼は、貴女の運命の人なのですね」



  
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