グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
「私が一方的に、てきとうに電話して繋がった人です・・・」

「それでも、その番号が貴女に降りてきたのは。神様が貴女を助けてくれるために、降ろしてくれた事なのですよ。素直に喜びなさい」

「・・・ごめんなさい、勝手に結婚までしてしまって。・・・記憶が戻っても、なかなか帰る事が出来なくて・・・」

「もういいのよ。貴女がこうして、元気でいてくれればそれで」

 優しい母の温もりは、ずっと変わらない。

 20年以上も音信不通だったのに、この一瞬で取り戻せる母の温もりに、ノエリは嬉しさが込みあがった。


「ノエリ。貴女の素敵な旦那様に、会わせてもらえる? 」

「会ってくれるの? 」

「ええ。お父様も賛成してくれているの、何も心配いらないわ」

「嬉しい・・・」

「彼は、何時に戻ってくるの? 」

「今日は早いと言っていたから、19時には帰ってくると思うけど」

「そう。じゃあ、明日の方がいいかしら? 突然じゃあ、彼も驚くかもしれないから」

「うん・・・」

「じゃあ、明日の夜でもいいかしら? 」

「大丈夫だと思う。伝えておくから」

「わかったわ。それじゃあ、明日の夜にちゃんと玄関から伺うから」

「うん・・・」


 すーっと光になり、水晶の中へ消えてゆくファリヤ。


 ずっと音信不通の中、母はずっと見守っていてくれたのか・・・。

 ノエリは今更ながら、見えない場所から守られていた事を知って、嬉しくなった。

 


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