グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

「お願いします。私と一緒に、妖精界に来てくれますか? 新しい妖精界を、一緒に作ってくれますか? 」

「もちろん、喜んで一緒に行くよ」

 ジックニーは胸がいっぱいになり、ギュッとノエリを抱きしめた。

 抱きしめられると、ノエリも感無量になった。


「ノエリ・・・一緒に、幸せになろう」

「はい・・・」


 妖精界、そして地底・・・

 全く分からない世界の者が1つになり新しい世界を作り出そうとしている。

 ジックニーはまだ見たことがない世界。

 ノエリにとっても、妖精界にとっても、初めて人間を招き入れる事になる。

 先の不安より、これから何が起こるのか、どんな変化があるのかがとても楽しみである。




 それから三日後。

 逮捕されたデルバの刑が確定したと報告が入った。

 デルバは元夫も自分の子供も、薬に毒薬を投入して殺害したことが判明した。

 そして今まで医師として関わってきた患者の中にも、同様の手口でデルバに殺害されていた患者も複数いたことが判明した。

 デルバの両親は、血管に空気を入れられ破裂したことが原因で死亡したことが明らかになった。

 深夜にデルバらしき人物が、病院の廊下を歩いているのも目撃されていた。


 ノエリの顔を勝手に整形した罪、元夫と子供、そして両親も殺害した罪。
 
 複数の患者を殺害した罪。

 これらすべてが重なり、デルバは極刑が確定した。

 極刑が確定したデルバは狂ったように笑い出し、意味不明なことを発しているようだ。


 ノエリはデルバの極刑が確定したことに対して、少しショックを受けていたが、もう何も関係はないと断ち切る事を決めた。


 これで全て終わらせ、新しく前向きに進んでいこうと決めたのだ。



 
 

 
  
 



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