グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

「俺、ノエリと一緒にこれから新しい世界を作りたいって思ったんだ。このまま地上にいてもいいけど、なんだか国王様にずっと甘えちゃうような気がして。それに、地上に来てとっても楽しかったけど。妖精界に行く方がもっと、楽しい気がするんだ」

「ジックニー。お前は俺に似ているんだな。別に反対はしないぜ。なぁ、シルビア」

「そうね。地底にはサフィーネがいるから心配しなくて大丈夫よ。でも、時々は帰ってきてね。お父さん、とっても寂しがり屋さんだから」

「もちろん、ノエリと一緒に地底にも行くよ」

 ノエリはこくりと頷いた。


「ファリヤさん、ジックニーの事。よろしくお願いします」

 マロンディスが挨拶をすると、ファリヤは満面の笑みを浮かべた。

「こちらこそ、大切なご子息様に妖精界に来て頂けて。とても感謝しております。妖精界は男性が少ないので、大歓迎です」


「男性が少ないのか・・・。ジックニー、他の女性に誘惑されるなよ」

「されないよ、大丈夫」


 
 それから、ジックニー達が妖精界に行くと聞いたアディール達は。

「妖精界か? 地底と妖精がくっつくって事か。面白い話だな」

「この世界には、私達が知らない異世界がまだまだ存在するかもしれませんね」

「そうだな。しかし、ちょっと不思議な感じはしていたが。妖精だったとは驚きだな」


「僕はちゃんと見えていたよ。お姉ちゃんの周りに、キラキラ綺麗な光が包んでいたもん」

「ルキアスは見えないもが見るものね」

「うん。でね、もうすぐお姉ちゃんとお兄ちゃんに、家族が増えるよ」

「え? 」

 アディールとユーリスは顔を見わせた。

「僕にはわかるよ。お姉ちゃん、まだ気づいていないけど。お姉ちゃんの傍に、とっても綺麗な魂がいるもん」

「へぇー。妖精と地底人のハーフかぁ・・・」

「きっと可愛い子でしょうね」


 
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