グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

 結婚式も終わって。

 3日後に、ジックニーとノエリは妖精界に行くことになった。

 それまではお城で滞在することになる。


 マロンディスとシルビアは、結婚式が終わるとそのまま南グリーンピアトの連絡船に乗り帰って行った。


 ファリヤは一旦、妖精界に戻りジックニーが来ることを報告することにした。



「良かったね、結婚式無事に上げることが出来て」

 部屋の窓から夜空を見て、ジックニーがそっとノエリの肩を抱いた。

「貴方のおかげです。あの電話が、貴方に繋がらなかったら。今の私はいませんから」

「俺も、あの電話をノエリがかけてきてくれなかったら。こんな幸せ手に入れられなかったよ」


「ねぇ。私がもし、あの醜い顔のままだったら・・・どうしていたの? 」

「え? 何言っているの。そんなの変わらないよ。俺は、ノエリの魂しか見ていないから」


 ノエリはそっと、ジックニーを見上げた。


「私、あの顔を経験して良く分ったの。世の中には、本当に誰もが避けたくなるくらい、醜い顔の人もいるけど。それは、自分が選んで来た事なんだって分かったの。中には顔を変えてしまう人もいるようだけど。でも、顔ってどんなに醜くたって、自分がその顔を好きでいれば人は輝けるんじゃないかって思ったの」

「そうだね。ノエリはずっと自分を否定していたけど。酷い事をノエリに言っていた人もいたけど。そんな言葉を吐く人も、本当はノエリの事気にしているんだて俺には分かったよ」

「うん、そうよね。・・・大切なのは自分の事を好きになる事だって思ったわ」

「自分を好きになれば、どんな自分だって平気になるからね」


 ギュッとノエリの肩を抱いて、夜空を見るジックニー。


 空には無数の星が輝いている。

 この星の数だけ、世界は沢山あるのだろう・・・。


 
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