独占欲強めの部長に溺愛されてます
本気で食べられてしまいそう。そう思ったのは束の間。
吐息を感じる距離で加賀美が囁く。
「野々花もここに越しておいで」
冗談で言っている目ではなかった。
(……私もここに? 一緒に住むの?)
魅惑的な誘い文句に胸がときめく。
「そのつもりでここを選んだんだ。野々花の部屋も確保できる」
そういうわけだったのか。やけに部屋数が多いと思ったが、野々花が使えるようにと考えていたとは想像もしなかった。
加賀美の実家がけた違いに大きいから、その流れで広い部屋を借りたのだと思ったのだ。
「本気ですか?」
「本気も本気。大真面目」
いたずらに加賀美が微笑む。
「寝室も別ですか?」