独占欲強めの部長に溺愛されてます
余分にあるふた部屋は、どちらも八畳以上の広さ。ベッドも容易に置ける。
となると、それぞれ別に寝るのだろうかという、ちょっとした寂しさをつい感じた。
「そんなわけがないだろう。なんのためにキングサイズのベッドを選んだと思ってるんだ」
そう言われた瞬間、妄想の逞しい野々花はあれこれと想像して顔が赤らむ。
「今、すごいこと考えただろう」
「ち、違いますっ」
否定してみるものの、意地悪っぽい目で図星を突かれて、さらに耳まで熱くなった。
「よし、その想像を再現するか」
「え? ちょっ、待ってください。ぶ、部長……!」
加賀美の手がするするとセーターの中に忍び込む。首筋にキスを落とされ、危うくその気になろうかというとき。部屋にインターフォンの音が鳴り響いた。
ピタッと止まる加賀美の手。
「ほ、ほら、ベッドが届きましたよ」