独占欲強めの部長に溺愛されてます
瑠璃の一件もあり、ついあたるような真似をしてしまった。
でもそれが本音でもある。望のような容姿だったら、野々花ももっと自信をもてただろう。どこにでもいるような、まさしく普通の自分では加賀美に釣り合わない。
早いところ玉砕して、かえってよかったのかもしれない。そう前向きに考えようと決めた。
「ところで会うって言っていた彼はどうしたの?」
これ以上、瑠璃に関わる話をしていたら、余計に気分が滅入る。野々花は話を切り替えた。
「それがさぁ、聞いてよ。実家の親が病院に運ばれたってメッセージが、待ち合わせの直前になってきたのよ」
「それは大変。大丈夫なの?」
その言い方だと救急車だろう。ただごとではない。
「やだ、そんなの嘘に決まってるじゃない」
本気で心配した野々花の肩を望がぺちっと叩く。
「そうなの? どうしてわかるの?」