おじさんは予防線にはなりません
げらげら笑っている彼女たちにとうとう怒りが沸点を突破した。
ガタン、わざとらしく大きな音を立ててシュレッダーのゴミ箱を戻すと、おそるおそるといった感じで、村田さんが顔を出した。

「……なにも知らないくせに」

「なに?」

村田さんと布浦さんは怪訝そうだが、私は怒りで全身の血液が沸騰していた。

「なにも知らないくせに!
池松さんがいつも、どれだけあなたたちに気を遣っているかわかりますか!
きっといまの話を聞いても『しかたねーなー』って笑うんですよ、池松さんは!
そういう人なんです!
それに、奥さんのことだって凄く愛されてて!
なのにそんなこと言うの、酷すぎます!」

一気にまくし立ててもまだ気が収まらなかった。
お腹の中に火がついたかのように熱い。
あたまも燃えるようだった。

「はぁ?
そんなの、知らないし」
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