おじさんは予防線にはなりません
自分の胸から私を離し、そっと指で涙を拭ってくれた。
その笑顔に胸の奥がきゅんと締まって、どうして私のが好きなのは宗正さんじゃないんだろうって思う。

「あ、でも誤解しないでね。
弱ってる詩乃に優しくして、オレに心変わりしてくれないかなって下心ありだから」

いたずらっ子のように目尻を下げて笑われると、私も笑うしかできなかった。



お昼休みになって池松さんがこっちに向かってくるのが見えたから、その前に立ち上がる。

「宗正さん、コンビニ行きますよね?
私も一緒に行きます」

昨日の花火大会で疲れたのもあって、今朝はお弁当を作る気力がなかった。
当然、お弁当バックは持ってきてないので、池松さんは気づいているはず。

「なに?
詩乃、今日、お弁当持ってきてないの?
なら外ランチ行こうよ」
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