おじさんは予防線にはなりません
翌日は池松さんにお昼を誘われているから、お弁当は持って行かなかった。

「詩乃」

お昼、池松さんが私のところにくるよりも早く、宗正さんがきた。

「楽しんでおいで」

宗正さんはこそっと私に耳打ちしてにこっと笑うから、なんだかデートにでも行くような気分になって、顔が一気に熱くなる。

昨日、宗正さんには池松さんとランチに行くようになったって、話していた。

「おう。
宗正も一緒に行くか」

見ていられないとでもいうのか、明後日の方角を見て池松さんはぽりぽりと頬を掻いていた。

「えー、池松係長のおごりですかー?」

「莫迦いえ、君の分までおごるわけないだろ」

「じゃあ行かないですー。
それにオレ、さっさと終わらせないといけない仕事があるんで。
じゃ」
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