おじさんは予防線にはなりません
でも、本当にいいのかな。
会社でも忙しかった次の日、和佳さんは腰が痛そうだった。

無事に荷造りは終わり、池松さんのマンションへ借りた車で運ぶ。
家具はほぼ全部リサイクルショップに頼んで処分した。
なので私の荷物はほんの少しだし。

荷物の運び入れも私はさせてもらえなかった。
荷解きしていても怒られたくらい。
過保護な和佳さんがちょっとおかしい。

「これで詩乃と夫婦だな」

くいっと眼鏡をあげた和佳さんの耳は赤くなっている。
そういうのは凄く可愛くて……幸せだな。

――ただ。

翌日、和佳さんは酷い腰痛で、湿布を貼ってあげたけど。



毎日は穏やかに過ぎていく。
まだ生まれてもないのに和佳さんは毎日、おもちゃやなんかを買ってきた。

「名前、どうするかな」
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