おじさんは予防線にはなりません
「妻の仕事はカレンダー、関係ないんだ。
たぶんゴールデンウィークも仕事なんだと思う」

ぼそっと呟くように言って、くるくるとフォークに巻いたパスタをタケノコと共に池松さんは口に入れた。
なんかそういうのはちょっと淋しそうで、奥様を愛しているんだろうなって思わせた。

「そういうわけでおじさんもゴールデンウィークは暇だから出勤だ。
また昼メシ、一緒に食いに行こうぜ。
うまいハンバーグを食わせる店があるんだ」

「はい」

笑う池松さんに笑って私も答える。

――でも私は。
池松さんが奥さんの仕事について「たぶん」とか言っていた理由に気づいていなかったのだ。



ゴールデンウィークは仕事に集中できた。
なんといってもいつもなにかと私を悩ませてくれる、社員さんたちが半分程度しかいないのだ。
当然、トラブルも半減する。
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