おじさんは予防線にはなりません
気を取り直すように隣の椅子に後ろ向きに座り、両腕で背もたれを抱くようにしてにへらと池松さんは笑った。

……うっ。
その笑顔、可愛すぎます!

「ほんとすみません。
その、……大丈夫ですか」

「ん?
ちーっと痛かったけど、平気平気。
羽坂の方こそ大丈夫か?」

冗談めかして池松さんは笑っているが、その額はうっすらと赤くなっている。
私の額だってまだずきずきしているのだ。
痛くないわけがない。

「私も平気です」

笑って頷くと池松さんも頷いた。

「ならよかった。
……アメ、食うか?」

何事もなかったかのようにごそごそとポケットを探ると池松さんが拳を突き出すから、ありがたく手を差し出す。
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