おじさんは予防線にはなりません
「いただきます」

「ん」

ころんと手の平の上に乗せられたのはパインアメ……じゃなく、ピンク?
同じようなパッケージでアメの真ん中には穴が空いているけど。

「期間限定のスモモアメだ。
これが食えるなんてついてるな、羽坂」

八重歯を見せてにかっと笑うと、池松さんの眼鏡の影に笑いじわがのぞく。
ぽいっと自分も口にアメを放り込んでにこにこ笑って食べているのはほんと、……可愛いからやめてください。

「それでさっき、なにがいつもこうだったらいいって?」

アメで口をもごもごさせながら聞かないで欲しい。
そういうの、めちゃくちゃ可愛いので。

さっきから心の中で可愛い、可愛いと連呼しているけど、このおじさんは狙ったかのように私のいいツボを的確に射抜いてくる。

「いつも、その、……これくらい社員さんの無理難題が少なかったらいいのにな、って」
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